店主:建岡光一
ほんのりオレンジがかった豆腐と時折り顔を見せる赤いトマトがかわいらしい
豆腐作りでもっとも大事なのは水と大豆です。阿蘇門前町はいたるところに水基があるほど、湧き水に恵まれたところ。水の条件はしっかり備えています。もうひとつの要素の大豆は、実は選び方が非常に大事だとか。大豆は農作物ゆえ、土壌や天候に左右されます。そのため、九州のさまざまな産地のものを試し、その都度ベストな大豆で豆腐を作っています。豆腐はまず豆乳を作り、にがりを入れてかためます。ベジッコを使う「トマト豆腐」(500円・税込)は、豆乳ができてから、にがりと一緒にベジッコを入れるのですが、ちょうどいい分量を割り出すのに苦労したと、店主の建岡健一さんは言います。というのも、ベジッコは入れ過ぎるとダマになるから。そこで加えるなめらかな食感を損なわない程度に抑え、豆腐そのものはほんのりとした味と風味に、小さく切ったトマトを入れることで、しっかりとしたトマトの印象に仕上げました。醤油はもちろん、オリーブオイルと塩でイタリア風冷や奴として食べると、またひと味違ったおいしさが楽しめます。